新卒の売り手市場が続く就活で、コンサル業界は依然として高い人気を誇っています。
他にも魅力的な業界はたくさんあります。
しかし、なぜここまでコンサル業界の人気が高いのでしょうか。
今回の記事では、なぜ新卒に人気があるのか、新卒がコンサル業界に入るときの注意点について紹介していきます。
その前に、コンサル業界がどれくらい新卒に人気なのかも合わせて解説します。
コンサル業界を目指す就活生にとって、重要なポイントも紹介しますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
・コンサルが人気なのは、スキルが身につきやすかったり、転職しやすかったりするから
・ミスマッチを避けるため、就活時点でコンサル業界についての理解を深めよう
コンサル業界はどのくらい新卒に人気なのか
「コンサル業界は新卒に人気」と言われます。
実際のところ、どのくらい人気があるのでしょうか。
就活情報サイトの調査では、以下のようなことが指摘されています。
- コンサル業界は商社や官公庁を超える人気がある
- 東大・京大生にも高い人気がある
それぞれ、具体的に見ていきましょう。
商社や官公庁を超える人気
新卒の就活市場で、コンサル業界の人気は商社や官公庁を超えるようになっています。
就活情報サイト「キャリタス就活」が2022年1月に発表した調査を見てみましょう。
2023年卒の学生1,104人に志望業界を訪ねたところ、全体の15.6%が志望する業界として「コンサル業界」を選択しました。
これは、「情報・インターネットサービス」「情報処理・ソフトウェア・ゲームソフト」「銀行」業界に続く4位の数字です。
文系男女、理系男女の4分類で見ても、いずれも上位10位以内に選ばれており、文理・男女問わず幅広くコンサル業界が人気であることがわかります。
従来の就活生に人気が高いとされる商社や官公庁は、全体の順位で商社が13位、官公庁が12位です。
コンサル業界は年々新卒からの人気を獲得し、今では商社や官公庁を超える人気業界となっていると言えるでしょう。
東大・京大生にも高い人気
東京大学や京都大学といった、いわゆる高学歴の学生にもコンサル業界は人気があります。
就活サイト「ONE CAREER」が2019年に集計したランキングデータでは、東大・京大が志望する上位30社のうち13社がコンサル業界の企業でした。
ランキングに名を連ねるのは、マッキンゼー、アクセンチュア、野村総合研究所、デロイトといった外資や有名企業です。
ランキングは、「ONE CAREER」における企業別のお気に入り数を元に作られているため、必ずしも実際の選考活動の人気を表しているわけではありません。
しかし、東大や京大の優秀な学生たちから、コンサル業界が注目を集めていることは間違いないでしょう。
コンサルはなぜ新卒に人気なのか?3つの理由
なぜ、コンサルはここまで新卒に人気があるのでしょうか。
さまざまな理由がありますが、ここでは3つの理由を紹介します。
- 若いうちからスキルが身につく
- 転職・起業がしやすい
- 給与が高い
一つずつ、見ていきましょう。
1.若いうちからスキルが身につく
若いうちからスキルを身につけられるのは、コンサルが人気な理由の一つです。
コンサル以外の業界の場合、新卒の入社直後からスキルが身につくような大きい仕事や責任ある仕事を任されることはレアケースでしょう。
とくに終身雇用の考えが強い企業や業界では、人材の育成を長期的な目線で考えています。
このため、営業職なら先輩社員と既存の顧客周りをしたり、技術職なら既存システムの保守点検を担当したりと、比較的簡単な仕事からキャリアをスタートさせることになります。
自らの判断やスキルが必要とされる仕事を任されるのは、早くても20代後半になってからでしょう。
一方、コンサル業界は、入社直後からスキルや責任感が求められる仕事を任される風潮が強い業界です。
とくに、外資コンサルでは実力主義が徹底されており、「アップオアアウト」と呼ばれる「昇進するか、そうでなければ退社する」という人事方針の所もあります。
このような環境に身を置くことになるため、コンサル業界に就職すれば、新卒でも自らのスキルを高め、仕事に向き合っていくことになります。
仕事を通じて得られるスキルも汎用的なものであるため、若いうちからビジネスパーソンとしての実力を磨いていけるでしょう。
2.転職・起業しやすい
転職や起業がしやすいことも、コンサル業界の人気を高めています。
コンサル業界では若いうちからスキルを磨ける上、得られるスキルが汎用的です。
主に、以下のようなスキルを身につけられます。
- 課題解決に向けた情報収集力
- 企画立案力
- クライアントを説得する資料作成・プレゼン力
- プロジェクトを動かす実行力
これらのスキルは、どのような業界、職種でも役立つものです。
言い換えれば、ビジネスパーソンとしての基本的な力を身につけられるということです。
このため、コンサル業界を経験していれば、コンサル業界への転職はもちろん、メーカーなどの事業会社への転職も視野に入れることができます。
さらに、コンサルは業務で企業の経営層とのつながりができます。
人脈はもちろん、経営者のマインドやスキルを身近に感じ、学ぶこともできるでしょう。
このため、独立したり、起業したりするための土台を、働きつつ整えられます。
このように、コンサルを経験した後のキャリアパスが多数あることも、新卒からのコンサルの人気を高めていると言えるでしょう。
3.給与が高い
他の業界に比べて給与が高いこともコンサル業界の魅力の一つです。
職種や業界、企業別の平均年収をまとめている「平均年収.jp」によると、「ITコンサルタント」の平均年収は610万円とされています。
企業別に見ると、GCAサヴィアンや野村総研など、コンサル企業には年収1,000万円や2,000万円を超える企業が多くあります。
国税庁が発表している2020年の「民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均年収は433万円です。
日本の平均年収と比べると、コンサル業界の給与がどれだけ高いかがわかるでしょう。
その差は、1.5倍から2倍以上です。
このような給与の高さもあって、コンサル業界は新卒の人気を集めています。
【結論】新卒でコンサルに行くのはオススメ
結論、新卒でコンサルに行くのはオススメと言えます。
近年は、日系企業でも終身雇用や年功序列を廃止して、積極的な中途採用や実力・成果主義の制度を導入する企業が増えています。
このような状況の中では、これまでのように「大企業に入れば一生安泰」ということはなく、いかに自分のスキルを磨き、価値を高めていくかが重要になってきます。
新卒でコンサルに就職することは、早いうちからスキルを身につけ、ビジネスパーソンとしての基礎を形作ることにつながります。
これからの社会を生き抜いていく上で、新卒時点でコンサル業界に就職することは、オススメの選択肢と言えるでしょう。
とはいえ、全員が全員コンサル業界をオススメできるわけではありません。
そのため、コンサル業界を志望する際の注意点について確認しておきましょう。
新卒でコンサル業界に入るときの注意点
コンサル業界は新卒にもオススメできる業界です。
しかし、注意点もあります。
注意点を意識せずにコンサルに入社してしまうと、思うように仕事へのモチベーションを保てなかったり、最悪の場合は退職することになったりする可能性もあるかもしれません。
ここでは、とくに気をつけておきたい2つの注意点について紹介します。
- コンサルが向いていない人もいることを知ろう
- なぜコンサル業界で働きたいのか考えよう
それぞれ、詳しく説明します。
コンサルが向いていない人もいることを知ろう
そもそも、コンサルに向いていない性格や志向の人もいることを知っておきましょう。
コンサルに向いていない人の特徴は、次のようなものがあります。
- 体力がない
- 目的意識がない
- キャリア観をもっていない
これらの特徴が当てはまる人は、なかなかコンサル業界で活躍するのは難しいかもしれません。
もちろん、100%不可能というわけでありません。
強い志望動機があるなら、コンサル企業への入社を目指して頑張りましょう。
なぜコンサル業界で働きたいのか考えよう
入社前の就活の時点で、なぜコンサル業界で働きたいのかを考えましょう。
コンサル業界が手掛ける業務は非常に幅広いです。
それだけに、選考過程では「なぜコンサルで働きたいのか」「コンサルで何をしたいのか」をシビアに見られることになります。
もちろん、コンサル業界で働く志望動機についてきちんと考えを持てていない学生は、選考過程で落ちることになるでしょう。
しかし、具体的なイメージを持たないままコンサル企業に入ってしまう学生も一定数います。
このような場合、企業と学生の間にミスマッチが起きかねません。
コンサルの仕事は若いうちから成長できる分、業務量も多く、拘束時間も長い仕事です。
本当にコンサルを志望して入社したならそのような状況にも耐えられます。
しかし、生半可な気持ちで入社してしまっては、目も当てられません。
入社後に全力で仕事に打ち込むためにも、なぜ自分がコンサル業界で働きたいのかを考えておくことは、非常に重要なことと言えるでしょう。
コンサル業界で働く動機を考えるヒントをまとめた記事もあります。
興味があれば、ぜひ読んでみてください。