24卒の就活は氷河期?データから見る24卒の現状を紹介!
SNSで就活生の声を見ると、「24卒の就活は氷河期だから」と悲壮感たっぷりの嘆きツイートがいくつも見つかります。
毎年、その年の就活の状況について一定程度ネガティブな意見が出るのはもはや恒例のことです。
しかし、いつ収まるかわからない新型コロナの影響が続き、24卒の就活には強い不安を感じるのも事実。
そこでこの記事では、24卒の就活の見通しについて公的な発表や統計をもとに解説していきます。
就活で押さえておくべきポイントも合わせて紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
・選考のオンライン化によって、就活生の負担が増える可能性も
・インターンへの参加や就活塾の利用など、計画的に準備を進めよう
【結論】24卒の就活は氷河期ではない
「24卒の就活は氷河期」
SNSでまことしやかに言われるこの予測は、はたして真実なのでしょうか。
答えは、「No」です。
24卒の就活は決して楽な状況ではないとはいえ、氷河期というほど深刻な状況ではありません。
その理由は、主に次の2つです。
- 内定率がコロナ前と変わらない
- 企業の採用数は回復傾向
一つずつ、詳しく解説していきます。
内定率がコロナ前と変わらない
新型コロナで経済は大打撃を受けましたが、実は新卒の就活市場における内定率はコロナ前と大差ありません。
リクルートが2022年3月に公表した調査によると、22年卒の学生の「22年3月」時点の内定率は96.4%で、21年卒の「21年3月」とほぼ同水準となっています。
志望通りかそうではないかの違いはあるにせよ、100人の就活生のうち96人は内定を手にすることができるわけです。
ちなみに、就職氷河期世代の内定率は約7割。
大きな開きがあることがわかります。
今後も新型コロナなどの要素で予測が変わる可能性はあるものの、24卒も比較的安定した就活市場であると予測できるでしょう。
企業の採用数は回復傾向
新型コロナの影響で落ち込んだ企業の新卒採用数が、すでに回復し始めています。
リクルートワークスが2021年に公表した調査では、22年卒を対象とした企業の求人倍率は1.5倍です。
求人倍率とは、「求職者1人あたりに何件の求人があるか」を表す数値。
つまり、1.5倍は「就活生1人につき、1.5件の求人がある」ことを指しています。
一方、就職氷河期世代(1990年代卒)の有効求人倍率は常に1を下回っており、もっとも低いときで0.48を記録しました。
現在の数値も完全にコロナ前の水準には戻っていないものの、氷河期といえるほどの水準ではないことがわかるでしょう。
氷河期ではなくても24卒の就活で気をつけるべき5つのポイント
24卒の就活市場は「氷河期」と呼べるほど厳しいものではありません。
しかし、ポイントを押さえて準備をしなければ、納得のいく企業から内定をもらうことはできないでしょう。
これから就活の準備をする人は、次の5つのポイントを意識しましょう。
- オンライン化への対応が必要
- オンライン化でライバルが増えた
- 選考の早期化が進んでいる
- インターンの重要性が高まった
- ガクチカが作りにくい
一つずつ、詳しく見ていきましょう。
オンライン化への対応が必要
新型コロナで企業の採用活動のオンライン化が進んだため、オンライン化された選考に向けた対応が求められるようになりました。
とくにオンライン面接は、従来の選考から大きく変わったポイントでもあります。
画面映えや視線の動かし方、カメラ越しでも伝わりやすい声のトーンなど、これまでの面接ではそこまで意識されていなかったことを一気に意識する必要が出てきました。
一方、コロナの状況が落ち着いたことを受け、面接を従来通りの対面型に戻す企業もあります。
24卒の就活生は、オンラインと対面のどちらにも対応できるようにしておく必要があることを意識しておきましょう。
オンライン化でライバルが増えた
新型コロナの影響で選考のオンライン化が進み、ライバルが増えたのも見逃せないポイントの一つです。
対面が基本だった従来の就活では、とくに地方大学の学生は就活で不利でした。
企業説明会やセミナーはまだしも、実際に面接を行うのは企業の拠点がある都市圏であることがほとんどであるため、遠方の学生はその度に交通費や宿泊費がかかる状況でした。
コストを嫌い、一定数の学生は地元企業での就活をメインにしていたといえるでしょう。
しかし、オンライン化が進んだことで、これらの距離的な制約はなくなりました。
遠方の地方大学に通う学生も、交通費や宿泊費を払うことなく、都市部に拠点を置く企業の選考に参加できるようになったのです。
このため、24卒の就活では「これまで以上に強力なライバルが参加しているかもしれない」という危機感をもって準備を進める必要があるでしょう。
選考の早期化が進んでいる
近年、選考の早期化が進んでいるといわれています。
就活ルールにもとづけば、実際に面接や内定が出るのは大学4年の6月以降です。
しかし、以前よりも就活ルールによる締め付けが緩くなった結果、ルールよりも早い段階で内定を出す企業が増えてきています。
選考の早期化が進んでいるということは、その分準備を早くしなければならないということです。
早い段階で内定を得られれば良いですが、内定を得られなければ就活が長期化してしまうという側面もあります。
24卒の就活では、従来よりも早めのスケジュール感で動く必要があることは肝に銘じておきましょう。
インターンの重要性が高まった
就活の早期化に伴い、インターンの重要性が高まっています。
インターンとは企業が実施する「就業体験」のプログラムのことです。
企業によって内容はさまざまで、数日間講義を受けるようなものもあれば、1ヶ月から数ヶ月単位で実際に従業員と机を並べて働くようなものもあります。
学生から見れば企業のことを深く知れるインターンは、企業側が学生をじっくり見極める絶好の機会でもあります。
このため、大学3年の長期休みにインターンを行い、事実上の選考活動をする企業が徐々に増えてきています。
企業によっては、内定者の多くがインターン経験者というところもあるほどです。
とくに志望度の高い企業がインターンを実施している場合、参加は必須級に重要になってきています。
ガクチカが作りにくい
24卒は在学期間のすべてが新型コロナの流行期にある世代です。
一時は大半の経済活動や社会活動がストップしたこともあるため、「ガクチカ」が作れていない就活生も多いでしょう。
ガクチカとは、「学生時代に力を入れたこと」のスラングで、就活でもっとも良く聞かれる質問の一つです。
定番は、アルバイトや部活動、ゼミ活動などの経験談です。
しかし、24卒の学生の多くは、対面で行う活動に大幅な制限を受ける中で学生生活を過ごしてきました。
このため、従来の就活生と比較するとガクチカが作りにくい状況にあるといえます。
ESや面接でガクチカを聞かれた際にどう対応するのかは、早めに考えておく必要があるでしょう。
氷河期の結果にならないよう24卒がやるべき3つの対策
氷河期のような就活の結果にならないためには、ある程度の対策をして就活に臨まなければいけません。
何をすれば良いのかわからない人は、まず次の3つの対策から始めてみましょう。
- 早めに就活準備を始める
- インターンに積極的に参加する
一つずつ、詳しく説明していきます。
早めに就活準備を始める
可能な限り早い段階から就活準備を始めるようにしましょう。
一つの目安になるのは、大学3年の夏休み前です。大学3年の3月では遅すぎます。
大学3年の夏休みには、多くの企業が学生向けのインターンを実施します。
人気のある企業のインターンには多くの就活生が申し込むため、本選考さながらのインターン選考が繰り広げられることもあります。
このような状況に対応できるよう、大学3年の夏休み前を一つの目安として就活準備に取り掛かるようにしましょう。
インターンに積極的に参加する
志望の高低に関わらず、インターンには積極的に参加しましょう。
選考の早期化に伴い、インターンが実質的に選考となっている企業も増えつつあります。
中にはインターン参加者向けに優遇された選考フローを用意している企業もあるため、志望度の高い企業のインターンは参加するのがベターです。
志望度が低い企業のインターンに参加する価値もあります。
早い時期からインターンに参加している学生は就活や社会人生活に向けた意識が高いため、新たな情報交換先になったり、刺激を受けたりすることが多々あります。
インターンに参加することで、これまで興味のなかった業界や企業に興味をもてるようになるかもしれません。
とにかく、間違いなく言えるのは「インターンに参加して損はない」ということです。
自分の志望よりも広く情報を収集し、インターンへの参加を試みてみましょう。
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