【内定者のES公開】新卒でコンサル業界に好まれる自己PRとは

コンサル業界といえば、新卒・既卒問わず、昔から就活生に人気の業界の一つです。
多くの就活生が応募する分、エントリーシートや面接は大激戦になります。

中でも、面接に進めるかどうかを決めるエントリーシートは力を入れるべきポイントの一つです。
「志望動機」や「学生時代に打ち込んだこと」など、さまざまな項目がある中、今回の記事では「自己PR」について解説します。

コンサルが学生に求める人物像や、好まれる自己PRの書き方をチェックして、コンサル業界からの内定を勝ち取りましょう。

記事の最後には、実際にコンサル業界に内定を得た新卒のESも公開します。ぜひ、最後までしっかり読んでくださいね。

目次

コンサルティングとは

ESを書く前に、まずはコンサルティングの業界理解から始めましょう。

コンサルティングは企業の経営層や部門のリーダーなどと協力し、クライアントの課題に向けての支援を行うのが仕事です。

そのためには戦略、マーケティング、人事、財務、情報技術、リスク管理など幅広いスキルと専門知識が求められます。

コンサルティングファームの種類


コンサルティング業界には、得意とする分野や行っている業務の範囲で区切られた「コンサルティングファーム」があります。

  • 戦略系コンサルティングファーム

企業の経営方針や新規事業の立案、事業戦略など経営課題を手掛けるファーム。

 

  • 総合系コンサルティングファーム

あらゆるプロジェクトに対応できるファーム。BIG4やアクセンチュアなど有名コンサル企業が多い。

 

  • ITコンサルティングファーム

IT・システム関連の企業から独立したファーム。

 

  • シンクタンク系コンサルティングファーム

証券会社や銀行が母体となっているようなファーム。社会問題や政治問題に政策提言を行うこともある。

このようにコンサルファームといっても様々な種類があるので、自身が志望するファームがどれに該当するのか理解しておきましょう。

コンサルが求める人物像

自己PRでは、ただ自分の得意なことや長所をアピールするだけでなく、企業が求める人物像に適っていることを証明しなければなりません。

そのため他業界で使った自己PRと全く同じにするのではなく、各企業の求める人物像を把握した上で、各企業の自己PRを調整しましょう。

特にコンサルという職種自体が論理的思考力や向上心、タフネスさなどが特に重要となるので、その証明となる経験と共にアピールしましょう。

コンサルが求める人物像から考える自己PR


コンサルが求める人物像から、ESの自己PRを書くポイントをご紹介します。

  • 聞く力
  • 多様な価値観や立場の違いを受け入れられる力
  • メンタルやフィジカルの強さ

聞く力

コンサルタントにとって聞く力は非常に重要です。

なぜならクライアントとのコミュニケーションを通じ、ビジネス上の課題や要望を正確に理解し、的確な解決策を導くのが仕事だからです。

また相手の本音やニーズを引き出すのも重要なスキルで、ただのクライアントではなく、いかに親密な関係を築けるかが鍵となります。

多様な価値観や立場の違いを受け入れられる力

コンサルの仕事は様々な業界や立場の人と関わるため、多様性を受け入れる力も求められます。

クライアントはサービス業の場合があれば、一次産業の場合もあり、各々が固有の価値観を持っています。

ただロジックに基づいて解決策を提示しても、彼らの伝統や倫理に反する場合は受け入れられないでしょう

まずは相手に寄り添い、理解した上で、認めてもらえるような柔軟な解決策が求められます。

メンタルやフィジカルの強さ

メンタルやフィジカルが強いことも、コンサルに求められる人物像の1つです。

実務の中で、コンサルが行う業務は多岐にわたります。
クライアントから課題を聞き取ることはもちろん、解決策を提案するためのリサーチをしなければなりません。
クライアントを納得させるだけの情報やデータが集まったらクライアントと調整し、OKならば実際に解決に向けて動き出します。
もちろん、クライアントからNGが出れば、一からやり直しもありえます。

このように、コンサルの業務には多くの過程があるため、どうしても一人あたりの労働時間や業務量が多くなりがちです。

優秀なスキルをもっていても、このような業務をこなせる体力面、精神面の強さがないとコンサルとしての活躍は難しいでしょう。

このため、コンサルの採用ではメンタルやフィジカルの強さも一つの重要な要素になります。
もしあなたが体力やメンタルに自信があるなら、ぜひESの自己PRに盛り込みたいポイントです。

コンサルへの自己PRに使える経験

実際にESを書く時は、自分がコンサルの求めるスキルや力をもっている人物だと証明できる経験があるとベターです。
「スキルがある」と口で言うだけなら誰でもできます。
しかし、それを裏付ける経験があれば、その言葉に説得力をもたせられるようになります。

そこで、コンサルへの自己PRに使える経験がどのようなものか整理してみましょう。
主に、次の3点のような経験についてご紹介します。

  • 人から悩みを聞き取り、解決に導いた経験
  • 課題設定から解決までをした経験
  • 経営者への戦略提案経験

一つずつ、見ていきましょう。

人から悩みを聞き取り、解決に導いた経験

人から悩みを聞いて、解決に導いた経験があるのならば、積極的に自己PRに書くようにしましょう。

コンサルの業務の基本は、クライアントがもつ課題を聞き取り、解決に向けた案を提案することです。

難しく考えなくても問題ありません。

たとえば、あなたが勉強の苦手な友人から相談を受けたことがあるとしましょう。

なぜ勉強が苦手なのか、どのような勉強方法をしているのか、最終的になにを目指すのかなどについて丁寧に聞き取りました。
話を聞いた所、勉強をしてどうしたいのかという目的意識が不明確だったために、勉強に身が入っていないことがわかりました。
このことを友人に伝え、一緒に目標を立てた所、ぐんぐん友人の成績が伸びました。

一見、大した経験には見えないかもしれません。
ですが、この経験の中には友人から真摯に話を聞き、それをもとに解決案を考え、課題を解決に導いたという要素が詰まっています。

このように、誰かの悩みをしっかりと聞き取り、解決に向けた提案や行動をした経験があるならば、コンサルに好まれる自己PRとしてESに書ける可能性があります。

課題設定から解決までをした経験

自分で課題を設定して、解決案を考え、実際に解決したような経験もコンサルに好まれる自己PRになります。

世の中には、「なんとなく悪いのはわかっているけど、よくわからないから放置されている」ような事柄がたくさんあります。
この「なんとなく悪い」ことを自分で見つけ、課題として整理し、解決していくのは非常にスキルが求められることです。

あなたが弱小部活のキャプテンだったとしましょう。
なんとなく、練習量や練習の質が足りないから結果が出ないのはわかっていますが、具体的にどう改善していけばいいのかわかりません。
そこであなたが、部の抱えている課題を整理して改善に取り組み、実際に結果を出せたならば、それは立派な「課題設定から解決」を担った経験です。

このように、誰も言語化できていないことを課題として整理し、解決に導いた経験もコンサルに好まれる自己PRと言えます。

自分が真剣に取り組んでいることがあれば、このような経験をしているかもしれません。
しっかりと自己分析を通じて、自分の体験を探してみましょう。

経営者への戦略提案経験

経営者への戦略提案をしたことがあるなら、ぜひ自己PRに盛り込みましょう。
とくに経営戦略に関わるようなコンサルの現場では、企業の経営陣を相手に業務をしていくことになります。

さまざまな経験を積んで経営に携わっている人たちには、特有の凄みがあります。
そのような人たちにひるまず、課題を聞き出し、解決案を提案するためには、度胸はもちろん、経験や実績にもとづいた自信が重要です。

なかなか学生の時に経営に関係する人と接する機会は少ないかもしれません。

だからこそ、企業の長期インターンやアルバイトでそのような人と話す機会があるなら、絶好のチャンスです。
コンサルに好まれる自己PR作りになるのはもちろんのこと、社会人になった後にも活きる経験です。
経営者や経営陣と接するチャンスがある場合は、積極的に関係をもつようにしましょう。

コンサルに受かった人の実際のESを大公開


ここまで記事を読んでくださった方のために、就活塾のAbuild就活からコンサル業界に内定を得た終了生のESを公開します。
今回公開するのは、次の2項目です。

  • 頂点を目指した経験と達成度合い
  • 日本の生産性を向上させるためにはどうすればいいか?

どちらも、今回の記事で紹介した「自己PR」に関連するESの項目です。
それぞれ、簡単な解説をつけてご紹介します。

頂点を目指した経験と達成度合い

私は学年の副責任者を務めていたバレーボール部で、部の歴代最高の結果を残すことを目標にして活動し、歴代4番目、過去30年では最高の結果を出しました。当初は部活の欠席率が高く、練習にも消極的なメンバーの多い学年で、歴代で最も実力がないと言われていました。そこで意欲が低い原因を「1.コーチが先輩に付きっきりなため、私の代に正しく教えてくれる指導役が不在なこと」、「2.チーム内に士気を上げる存在がいないこと」、「3.バレーボール自体よりも、上下関係やバレーボールとは関係のない点で必要以上に厳しい部活であったこと」だと考えました。解決策として、「1.時間が許す限り外部のスポーツセンターを回り、そこの指導役に指導していただく」、「2.筋トレメニューの作成や外部での自主練習などをチームメンバーを巻き込みながら率先して行い、他の学年にも情報を共有する」、「3.私の代が最高学年になってからは、不要なルールを撤廃して上下関係を最小限に留める」ということを行い、意欲的なチームの構築に貢献しました。最終的に予選一部リーグに進出し、都大会まではいけなかったものの、過去30年で最高の結果を残すことができました。(499)

「意欲が低い」という漠然とした問題の中から、「指導役が不在」「士気を上げる存在がいない」と課題を設定した上で、解決策を考え、実際に解決まで導いた経験になっています。
まさに、コンサルが求める人物像を、部活動の経験を通じてアピールできています。

日本の生産性を向上させるためにはどうすればいいか?

私は日本の生産性向上のために、企業主体の施策としては「DX推進による業務改革」、国主体の施策としては「経済特区の設置」が有効であると考えます。なお、ここでは「生産性=付加価値÷労働投入量」、「付加価値=総収益ーコスト」として考えました。また、日本では少子高齢化が加速していることをふまえ、ここでは主に分子(付加価値)の増大に焦点を当てて考えました。まず「1.DX推進による業務改革」について説明します。日本における少子高齢化の加速・ITの急速な発展という現状をふまえると、機械ができる業務はすべて機械に任せて無駄な労働をなくし、業務効率を改善したうえで、ビジネスモデル自体もより効率的なものに変革していくことが有効です。例えば業務効率改善の段階では会計の仕訳や在庫を管理するシステムの導入、勤務時間やタスクの進捗などをはじめとする社員の労働データを一元管理できるシステムの導入などが考えられます。これによって無駄のない効率的な業務振り分けが容易になり、コストを削減できるため付加価値が上昇します。そのうえで、例えば購買データの分析・活用を基盤としたマーケティングを行う、データに基づいて物流を最適化するといったことも、少ない投資で高い付加価値を生み出すために有効です。次に「2.経済特区の設置」について説明します。ここでは、経済特区を中国やアメリカに多く見られる、特定の産業に特化した区域として説明します。他の経済大国と比較した際、日本は経済特区が存在せず、産業内取引に時間とコストがかかる点が課題であると考えました。そこで、産業内取引を効率化するために、経済特区の設置を提案します。具体的なメリットとしては、1.産業内のニッチなものに対しても需要と供給がマッチングするため、ニッチな分野の会社が生き残り、その産業の総収益が増加すること、2.産業内の人材の移動や情報の共有が容易になり、効率的な人材配置・情報網の形成が可能になること、3.産業内取引の物流コストと所要時間が削減でき、低コストでよりスピーディーな取引が可能になること、などが考えられます。これらのメリットにより付加価値を増大させることができ、その産業の生産性が向上すると考えました。以上より、企業主体ではDXの推進、国主体では経済特区の設置が日本の生産性向上に向けて有効であると結論付けました。(979)

体験にもとづいた記述ではありません。しかし、「日本の生産性を向上する」という抽象的な目標に対し、具体的な解決策を提示することができています。

その上で、その解決策がなぜ目標達成に有効なのかを論理的に説明できているのも高評価です。
ンサル側が提案する解決策について、クライアントに納得してもらうためには、論理的な説明力が必要になります。
その力を、このESの項目を通じてうまく自己PRできている文章と言えるでしょう。

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    ayaka

    この記事の監修者

    ayaka

    新卒で航空会社に就職。入社1年目より異例の配属で育成部門に配属。約10年、日本人、中国人、タイ人、シンガポール人の育成・採用に携わる。最短で昇格後は、新人から入社30年と幅広い層のメンバーのマネジメントを行う。
    様々なバックグラウンドを持つ人材と携わる中、「ひとりひとりが個性と強みを活かして、笑顔で仕事ができる組織を作りたい」という想いを持ち、2021年に国家資格キャリアコンサルタント取得。
    現在は中国に在住し、大学生の就職活動支援、駐在員の家族のキャリア支援を行っている。

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